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遠藤 章; Eckerman, K. F.*
JAEA-Conf 2007-002, p.76 - 85, 2007/02
医学,環境,放射線防護等の分野において、人体の被ばく線量計算上必要とされる1037核種について、新しい崩壊データを編集した。2003年版の評価済み核構造データファイルENSDF(Evaluated Nuclear Structure Data File)及びEDISTR04コードを用いて、放射性核種の崩壊,それに続く原子の緩和過程から放出される放射線のエネルギー及び放出率を算定した。編集されたデータについて、種々の実験データや評価済みデータライブラリとの比較を行い、その信頼性を評価した。DECDC2と呼ばれるこのデータファイルは、現在、線量計算に使用されている米国核医学会,国際放射線防護委員会のデータに置き換わるものであり、今後、さまざまな分野における線量計算に幅広く利用されることが期待される。
佐藤 大樹; 高橋 史明; 遠藤 章; 大町 康*; 宮原 信幸*
JAEA-Conf 2007-002, p.59 - 65, 2007/02
現在、中性子の生物影響評価にはマウスをはじめとする動物実験から得られたデータが利用されている。このデータを適切にヒトに応用するためには、マウスとヒトの解剖学的な構造差を考慮した解析が必要である。本研究では、マウスの幾何形状を精密に再現した数値モデルと粒子輸送シミュレーションコードを用いて、さまざまなエネルギーの中性子照射における体内放射線場の特性を解析する手法を確立した。これにより、マウスの中性子照射実験データのより詳細な解析が可能となった。
小林 泰彦; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 古澤 佳也*; 和田 成一*; 横田 裕一郎; 柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 原 孝光*; 深本 花菜; et al.
JAEA-Conf 2007-002, p.28 - 35, 2007/02
放射線の生物作用は、生体分子に対する局所的なエネルギー付与、すなわち空間的にも時間的にも離散的な物理的相互作用の過程から始まる。そのため低線量(低フルエンス)被曝においては、照射された細胞と非照射の細胞が試料中に混在することになる。したがって、照射細胞における直接の放射線障害だけでなく、照射細胞と非照射細胞が互いに影響を及ぼし合う過程を定量的に解析することが、放射線適応応答やホルミシス効果など低線量域放射線に特有の生体応答を解明する鍵となる。そこでわれわれは、TIARA(高崎研イオン照射研究施設)の重イオンマイクロビームを用いて個別の細胞を狙って正確な個数の重イオンを照射し、その影響を長時間追跡観察するシステムを開発した。重イオンマイクロビームを用いて照射細胞と非照射細胞を明確に区別して個々の細胞の放射線応答を解析することが可能な本照射実験システムの概要を紹介するとともに、バイスタンダー効果の分子機構に関する最近の研究成果を報告する。
高橋 史明; 小田 啓二*
JAEA-Conf 2007-002, p.171 - 176, 2007/02
国際放射線防護委員会(ICRP)及び国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、放射線防護を目的のための線量計測量を定義してきた。これらの量は、被ばくによる健康影響を適切に定量化する必要があるため、他の諸量には見られない固有の複雑さがある。そこで、日本保健物理学会では、線量計測量に関する問題点を議論するための専門研究会を2005年4月に設立した。同研究会における主要な議論は、放射線質により線量に荷重する係数,ICRPの勧告する防護量及びICRUの定める実用量である。被ばく線量は、放射線輸送計算技術の発展もあり、従来よりも精密な解析が可能となった。一方で、生物影響にかかわる不確かさは依然として大きいとされている。また、防護量については、幾つかの誤用例が指摘されてきた。研究会は設立以降、種々の被ばく条件について、防護量及び関連する係数の意味,適用及び伴う不確かさを議論してきた。研究会の最終目標は、より理解しやすいシンプルな線量の体系を構築することにある。一方で、シンプルな体系は、放射線モニタリング,個人被ばく管理などの実際の防護に矛盾しないという条件を満たして初めて構築されると研究会は考える。
佐藤 達彦; 遠藤 章; 仁井田 浩二*
JAEA-Conf 2007-002, p.86 - 93, 2007/02
高エネルギー放射線による被ばく線量評価は、加速器の遮へい設計・粒子線を用いた癌治療・人類による長期宇宙滞在などを計画する際、極めて重要となる。そこで、われわれは、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを開発・改良し、高エネルギー放射線による線量評価手法の確立を目指して研究を進めている。具体的には、PHITSと幾何学形状人体模型を組合せて、200GeVまでの陽子・中性子・粒子・重イオンに対するフルエンスから実効線量及び実効線量当量への換算係数を計算した。発表では、その線量換算係数の計算結果について詳しく説明するとともに、その応用例を幾つか紹介する。
佐藤 薫; 遠藤 章; 斎藤 公明
JAEA-Conf 2007-002, p.94 - 101, 2007/02
これまでに開発されている線量評価用の人体ファントムは、ほとんどが西欧人体格データに基づいて開発されたものである。そこで原子力機構では、日本人をはじめとするアジア人に対する臓器線量評価法を開発するため、これまでに日本人の成人男性及び女性ボクセルファントムの開発を進めてきた。また、これらのボクセルファントムを用いて内部被ばく及び外部被ばくによる臓器線量の計算を行った。本研究では、原子力機構において開発した日本人ボクセルファントムの開発及び臓器線量計算について報告する。
中野 政尚
no journal, ,
世界規模での環境保護は世の中から求められている。核燃料サイクル施設から水圏への長期的な環境影響評価もまた、より効率的な原子力利用のために、より重要になる。日本のみならず近隣諸国を含む長期的リスクの評価は、施設立地数や運転施設数を発展(増加)させるために必要であると考えられる。著者は長期的海洋環境放射能評価モデル(LAMER)を使って大気圏内核実験による海水海底土中放射性核種の分布を再現した。LAMERは海洋大循環モデル(OGCM)と協働して大洋及び日本海での放射性物質の移流・拡散・スキャベンジング過程を計算し、正しいことが確認された。著者はモンテカルロ法により、ICRPが提案した確率論的線量を大気圏内核実験に起因する海産物摂取に関して計算することを試みた。それぞれのパラメータの偏差にも依存するが、試算においては確率論的評価の95%値は決定論的評価の95%の約半分だった。このことは、確率論的評価は核燃料サイクル施設の線量評価を行うにあたって有利であることを意味する。